健太へレス

スケバン刑事観たら、10代以降、なんかむやみに闘う妄想に生きていたこと思い出したっていうか、スケバン刑事のようなヒロインとして活躍するような緊急事態に憧れるような精神状態だったなー、平穏に生きるってことができないまま大人になったなーという事を久々に思い出して愕然とした。

中途半端な田舎町で生まれ育ったので、日常生活で困ることや大事件などほとんどない、ほどよく便利で平穏な町での生活は退屈で。映画や小説・テレビなどで繰り広げられる非日常かつ破天荒な世界に惹かれ、そして自分に特別な何かが出来ると信じていた。しかし、だからこそ、仕事で超絶忙しいのも乗り越えてこれた。なぜならそれが日々緊急事態だったから。私なら解決できる、と信じていたから。週3日とか徹夜を強いられる生活なんてやっぱりおかしいんだけど、それもやりきったりしてきた。なぜならそれはある意味スリルに満ちた生活だったわけで。提示された条件以上にいいものを〆切までに作るっていう一心で毎日緊急事態。そのおかげで今の私がいるし、がんばりを評価してくれる人もいるけれど、逆に日々落ち着いてこつこつと物事をすすめることが苦手な自分があいかわらず存在するなーということをスケバン刑事みながらうっすら思った。最近もあいかわらず、根底にあるものはそういう感じなんだけど、もはや体がついていかない、気持ちはいつも前へ前へ上へ上へ新しい世界へ。しかも緊急事態でないと発動しない。だけど。長く経験してきた緊急事態の連続の果てに、緊急事態とはいえ、起こりうる結果を推測できるだけの経験値は積んでいるので、緊急事態なのに新たに経験したい面白いスリルなどなく、緊張と体力を強いられるのに漫然と予定調和でしかない生活に、疲れ果ててしまっている。そのアンバランスさが不調を呼び起こす一原因になっている。

本来、4代目スケバン刑事において、もはや今の私はサキでもレイカでも無く、吉良もしくは母親、のポジ ションなんだから。サキに応援を頼まれてかけつけても、サキに遅れを取り現場で役に立たない吉良。本当はそういう世代なのだから。若い子を的確に見守りながら、わざととぼけながら最後の現場を諦観とともにやる世代。過去に痛めた脚を引きずりながら。エンジョイ!とか適当な事を言って(エンジョイはサプリの部長)。

あーあ、またなんか影響されてはるよ、私。いい加減にしないとね。こういうのってばかげた考えなんだろうけども。昔から「あんた誰と闘ってんの?」ってよく言われたもの。敵なんてほんとはいないらしい。

いや実際。ちょっと独立するのが遅すぎたかもしれない、という後悔の念にやっぱりとらわれている。同世代の他の人はどうか知らないけど、私の体力は想像以上に落ちている。それが大きな問題。自分を守るっていうことを本気でやらなければいけない。うっすらそれに気づいてはいたんだけど、また失敗を犯すところだった。もう中途半端なめんどくさい仕事はきっぱり断ることにしよう。私は誰かを助けてあげることはできないし、特別な才能をもつ人間でもない。誰かのために必要以上の緊張を強いられる生活はやっぱりもう本当に無理だ。